5人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ~、チャイムがなった。」
「・・・そうだな。腹も減ったし、教室に戻るか?」
「・・うん。」
恭弥は私の頭をポンっと撫でると、手を差しのべた。
私は戸惑う事なくその手を取った。
彼の―――恭弥の手の温もりが心地いいと思ってしまった。
―――ガラッ
教室に入ると女子の視線が痛かった。
「美穂。お弁当食べよ?」
「・・うん。」
私は少し気まずくなって、小さい声で言った。
そんな私を見た恭弥は、助け船を出してくれた。
「なぁ、俺も一緒に飯食っていいか?」
「えっ?!櫻井君も一緒にっ!?」
「ダメか?」
「ううん!いっいよ!」
時音は頬を赤く染めて言った。
私はそれを見て眉をしかめた。
そんな私を見て恭弥は、声を押し殺して笑った。
私は恭弥にムッとして、時音が待つ机まで行った。
最初のコメントを投稿しよう!