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ーカイはへこんでいた。
執事として勤め早1ヶ月
「…はぁ…僕ってむいてないのかなぁ…」
もっと…うまくやれると思っていた
執事なんて楽勝!
ーとどこかでタカをくくっていたのかもしれない
ーこの…足手まといがー
ほんの小一時間前に先輩執事にいわれた言葉が
頭の中でリフレインする……
ーじわり
昼食に出されたクロワッサンが涙で霞む
「ーあのぅ……」
不意に背後から話し掛けられた
「…マ、マリンちゃん⁉⁉💦」
金髪のサラサラロングの愛らしい少女。
幼い頃からこのお屋敷でメイドをしている
先ほどもクロワッサンを運んできてくれたのだがー
ーも、もしかしてーずっといた⁉⁉💦
「…カイくん…大丈夫…ですか?」
マリンがおずおずとカイを覗き込む
大きな碧い瞳に気遣う色が浮かんでいる
「ーッ!大丈夫だよッ」
ーあ
情けない姿を見られた気まずさのあまり
ついつい語気が強くなってしまった
「💦💦ご、ごめん…」
「ーいいんですよ」
ニコッ
優しくマリンが微笑む
「…マリンちゃんー」
マリンの優しさに涙がまた出そうになり誤魔化すように勢いよく頭を振る
ぷるぷるぷる…ぽふン❤❤
ーぽふン?ー
何だーコレ?
勢い余って何かに当たってしまったようで思わず手を伸ばす
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