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♥Mに目覚めた少女VSベテランS執事♥
夏-
世間は[夏休み]真っ只中
いつもはお嬢様方の香水の匂いで華やいでいるこの屋敷もー
今日はひっそりと息を潜めている。
『可愛い娘達よ、たまには家族旅行でもしようじゃないか!』
娘達を溺愛しまくっている主の命は絶対で…
「…ータヒチ旅行か…俺には無縁だな…」
ベテラン執事のカイに夏休みはない
あのチビッコ新米執事がまだまだ当てにならない今
主達のいない屋敷を守るのはー
「……俺しかいない…てか」
はぁぁぁ~…
長いため息をつく。
「いくら執事とはいえ…夏くらいいい女と満喫したいもんだ。」
ついつい男の本音が
ぽろっと零れる。
普段なら口が裂けても言えないが
今なら聞いてる者も誰もいな……
「…満喫…します…か?」
ーな……?!
誰もいないはずだ
何で女の声が!?
慌てて振り返ると
開け放たれたドアの影から
おずおずと一人の少女が現れたー
「ー誰だ⁉」
もしや屋敷の留守を狙った泥棒⁉
ものすごい剣幕で少女に詰め寄る
ーびくツ!
少女が身を強ばらせる
今にも泣き出しそうな顔をしてー
…そして
とんでもないことを言った
「ー私は…旦那様がカイ様にと用意された玩具です。
どうか…カイ様のお好きにしてやって…ください…」
ー夏がきた
カイは本能が騒ぐのを
確かに感じ
ニヤリと笑った
………………
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