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ガイアは、さも当然のように教卓に手を叩きつけ、唇を震わす。
「えー、皆さんおはようございます! 今日からここ、二組にてお世話になる事になりました、ガイア=ディースカウです。好きな言葉は男女平等。座右の銘は男尊女卑です! 一年間よろしくっ!!」
爽やかな笑顔で締めくくると、親指を突き出しグッジョブのポーズ。
そして、彼は狐につままれたような表情の生徒達を無視して、勝手に空いていた席に座ってしまった。
彼の席。そこは、暇を持て余している少年、エルディの隣であった。
◆
え、嘘でしょ!? 転校生、僕の隣なの? だって先生、何も言ってないよ!? 駄目じゃないの、これ!!
僕はグレイ学園に入園して以来、初めて焦っていた。けど焦るのは当然だと思う。ありえない程風来坊な人間が隣に座るんだもの。
だって、さっきの自己紹介。あれは無いでしょ……。男女平等が好きなのに、どうしてモットーが男尊女卑なんだろう? 矛盾してるよね……。
扉を開ける時も、ごめんください、って……。普通失礼します、でしょ?
確かに退屈してたけど、だからって……。
彼と出会って一分も経っていない。だけど僕の頭の中は不安でいっぱいだった。
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