一章 邂逅

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「俺、ガイア! お前は?」  転校生が笑顔で話しかけて来た。  僕、コミュニケーションとるの苦手なんだよね……。 「僕はエルディ。エルディ=ガーネット」 「おう! よろしくな! エルディ」 「よ、よろしく」  多分だけど、転校生のこういう笑顔を、『屈託のない笑顔』って言うんだろうな……。  何がそんなに嬉しいんだろうか? 「なぁエルディ。お前、何処に住んでんだ? 学園の近くか?」  わざわざ僕に体を向けて話す転校生。  今、授業中だよね? 視線を彼からずらして黒板を見る。  うん。先生、お冠だ。それもそうだよね。無視された挙げ句、授業中の私語なんて……。  先生……ごめんなさい! 「ん……僕は学園附属の寮に住んでるよ。それより、んーと」 「ガイアでいいぜ?」 「うん。ガイア、ちなみに今は授業中だよ?」  僕は控え目にだが、自分達が幾分場違いなのか示す。  でも転校生……ガイアは、興味なさそうに「あぁ」と呟いた。 「俺、授業とか聞く必要ないから。大体知ってるし」  そう言ったガイアの表情は、今までの明るい笑顔とは対照的に、どこか倦怠感を含んでいた。
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