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「俺、ガイア! お前は?」
転校生が笑顔で話しかけて来た。
僕、コミュニケーションとるの苦手なんだよね……。
「僕はエルディ。エルディ=ガーネット」
「おう! よろしくな! エルディ」
「よ、よろしく」
多分だけど、転校生のこういう笑顔を、『屈託のない笑顔』って言うんだろうな……。
何がそんなに嬉しいんだろうか?
「なぁエルディ。お前、何処に住んでんだ? 学園の近くか?」
わざわざ僕に体を向けて話す転校生。
今、授業中だよね? 視線を彼からずらして黒板を見る。
うん。先生、お冠だ。それもそうだよね。無視された挙げ句、授業中の私語なんて……。
先生……ごめんなさい!
「ん……僕は学園附属の寮に住んでるよ。それより、んーと」
「ガイアでいいぜ?」
「うん。ガイア、ちなみに今は授業中だよ?」
僕は控え目にだが、自分達が幾分場違いなのか示す。
でも転校生……ガイアは、興味なさそうに「あぁ」と呟いた。
「俺、授業とか聞く必要ないから。大体知ってるし」
そう言ったガイアの表情は、今までの明るい笑顔とは対照的に、どこか倦怠感を含んでいた。
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