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「校長? ……あぁ、アクセルな。違ぇよ、あいつが勝手におろおろしたのっ! 挙げ句の果てに俺を追い出しやがった」
ガイアは初対面のジークに臆する事なく言い放った。普通なら驚く所なのだが、若さ故か、ジークはそれを笑い飛ばした。
「ははは! 校長を尊称で呼ばない奴なんか普通、いねぇぞ!」
「あ? 先生。先生は俺―――いや、僕が一般の愚民と同等だと?」
ここでジークは流石に困った様子で、頭をポリポリと掻く。
ガイアの性格が想像以上だったのだろう。ジークは困ったように苦笑いをうかべた。
「あーなんていうか……お前、変わってるな」
ジークの言葉に机を叩き、勢いよく立ち上がるガイア。そして彼は叫んだ。教室の中心で叫んだ。
「先生! 変わってる、だなんて先生が生徒に向かって言う事ではないでしょう!!! 十人十色という言葉を知っていますか?」
「あ、あぁ」
ガイアの勢いに若干引きつつも、小さく頷くジーク。エルディを除いた生徒達は、奇特なる存在―――ガイアを凝視している。
エルディはただ一人、どんな演説が始まるか楽しみにしていた。
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