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その後、普通に移動を済ませた俺達は、当たり前だが中庭に居る。ジー君も来て、今は詳しい説明を聞いていた。
「形式は一対一。相手は俺が指名する。んで、俺が止めの合図を出したら終了な」
「武器の刃は落としてあるから安心しろ。無論、当たればかなり痛いがな。終わりの合図は実際の戦闘を想定して出す」
「つまり、致命傷と判断したら終わり、って事だ。素手で戦うグラップラーは、相手を気絶させてもオッケーだ。質問は無いか?」
そう言って辺りを見回すジー君。思うんだけど、こういう雰囲気で手を挙げられる奴はなかなか居ないとおもう。
空気? 流れ? 兎に角、常人なら挙手するのは憚るだろう。
そして、俺の持論の通り、挙手する者はいなかった。
「質問がないならいい。では、早速始めるぞ。名前を呼ばれた者は前に出ろ」
そうやって、次々と生徒を呼集していく。どうやら一度に三組の生徒が訓練をするらしい。
そして、その三組の中には、俺の名前もバッチリ含まれていた。相手は……バッシュって言ったかな? まあ誰でもいいだろう。
俺はのそのそと前に出て行く。その際、エルディが不憫そうな目でこちらを見ていたが、真意は計りかねる。
もしかして…………ハズレ籤引いた?
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