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ハズレ籤。この場合は無論、とてつもなく強い相手を指す。つまり、バッシュ。対戦相手の彼がとてつもなく強いのか?
おいおい……。冗談は止めてくれよ。全力を、力を見せたく無いんだよ。
かといってすんなり負けるのもなぁ~。なんか癪だし。てか、嫌だ。勝負事でわざと負けるような八百屋さん―――八百長だけは勘弁だ。
仕方ない。バッシュとやらの力に合わせるか。
俺はそう結論づけると、ため息一つ。そして眼前に佇む少年に目をやった。
「まさか相手が転校生だなんてな~。ガイア……だっけか?」
「ああ」
「ガイア! よろしくな!!」
どうやら悪い奴では無いようだ。寧ろ、どこか俺と同じ香りがする?
まぁそれはいいとして、バッシュはグラップラーみたい。自分の得物を持っていない。いや、拳がソレなのか……。
正直、かなりラッキーだな。相手の武器が刀とかだったら、素手で戦うのはあまりにも面倒だ。だが素手なら違う。純粋な体術合戦に持ち込める。
それなら…………ってな?
「それでは……始めっ!!」
そうこうしているうちに、ジー君が開始を告げた。ほんじゃまあ、気張っていきましょうか!
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