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未だにおろおろと慌てる校長を見て、少しばかり罪悪感を感じた。
うん、そろそろいいだろう。しかしこいつは本当に年上なのだろうか。
「んで、来たけど?」
「えっ?」
「えっ? じゃねえよ! あんたに呼ばれてここに参上致しました。って言ってるの!」
アクセルは「あ、あぁ……。」と小さく頷く。それからこほんと咳払い。
「君に来てもらったのは、クラスと大凡の流れを知ってもらうためです」
アクセルはそう言うと、事務的に次々と文章を読み上げていった。
だけど、あんなに早く喋られて、全てを理解できる程俺は賢いつもりはない。勿論だが、大半は右のお耳から左のお耳に直進。
結局俺が理解したのは自分の教室と、その場所だけだった。
だけど一つだけ言わせてくれ。悪いのは俺の耳ではない。彼奴(きやつ)の唇だと。舌だと!
そうだ! どうして俺が卑屈になる必要がある? こんな遠くまで呼び出したのも! ペラペラ語ってるのもアクセルではないか!! そう、俺に非などあるはずも―――
「聞いてますか?」
「いいえ」
そんなこんなで教室に向かう事になった。
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