一章 邂逅

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 未だにおろおろと慌てる校長を見て、少しばかり罪悪感を感じた。  うん、そろそろいいだろう。しかしこいつは本当に年上なのだろうか。 「んで、来たけど?」 「えっ?」 「えっ? じゃねえよ! あんたに呼ばれてここに参上致しました。って言ってるの!」  アクセルは「あ、あぁ……。」と小さく頷く。それからこほんと咳払い。 「君に来てもらったのは、クラスと大凡の流れを知ってもらうためです」  アクセルはそう言うと、事務的に次々と文章を読み上げていった。  だけど、あんなに早く喋られて、全てを理解できる程俺は賢いつもりはない。勿論だが、大半は右のお耳から左のお耳に直進。    結局俺が理解したのは自分の教室と、その場所だけだった。  だけど一つだけ言わせてくれ。悪いのは俺の耳ではない。彼奴(きやつ)の唇だと。舌だと!  そうだ! どうして俺が卑屈になる必要がある? こんな遠くまで呼び出したのも! ペラペラ語ってるのもアクセルではないか!! そう、俺に非などあるはずも――― 「聞いてますか?」 「いいえ」  そんなこんなで教室に向かう事になった。
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