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そして麗は、高校制度がどうのこうのよりも、もっと重要なことを思い出し、壱夜に眼を向けた
「叔父さん、学校てもしかして叔父さんの経営してる学校……??」
「あったりー♪」
絶対阿呆だ、と心の中で毒づく麗だが、高校がそこであると判明した途端、キッと静かに牙を剥いた
「でも、あそこって確か私の記憶が正しければさ」
「全寮制の男子校」
「そうそう……………
って!!!
何で、そんな所に入らなきゃいけない訳!!?」
麗は紛れもない女、それは血縁者である壱夜も重々承知しているはずだ
威嚇するかのようにぎろりと睨み付ければ、そんな視線には慣れているのか、けろりと壱夜は理由を言うため口を開いた
「勉強しなさい
叔父からの絶対命令」
普段は麗が可愛いのかしてそんな叔父としての権力を使わない壱夜だが、このように何かを強制させるときには叔父の特権を使って無理矢理麗を動かしていたのだった
だが、やはりこればかりは麗も我慢ならないのかして、眉間の皺を一層深くして唇を噛み締める
まるで中々懐かない野良猫のような威嚇に、壱夜は少しだけ悲しげに眉を下げた
「これは、君のためでもあるんだよ」
そう言い聞かせるように言った壱夜の言葉は、何故かすんなりと麗の耳に入って行き、脳内にリフレインした
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