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「昌景殿、まずこの城を拠点としこの三河岡崎を完全に掌握しましょう。」
「それはわかっておるが・・昌信殿。」
「なんでしょうか?」
「あの家康が簡単に岡崎を捨てるとは・・思えん。何か策があると思われるが、昌信殿はどう思う?わしの買いかぶりかの?」
「買いかぶりなどではないかと・・家康には本多正信がおりますゆえ・・」
「うむ・・この三河での戦は家康側の劣勢がやむを得ないからの。わしが正信であれば奇策で相手の出鼻をくじくか、本陣を奇襲し信玄様の首をとる。」
「しかしながら、本陣の奇襲は物見に見つかりやすく失敗しやすい。また統率されている軍勢にはあまり効果がない・・これを採るわけない・・となれば!」
二人は顔をしかめた。
正信の策にはまっていたことがわかったのである。
「早くこの城から退却しなければなりませぬ。昌景殿。」
「退くしかあるまい。皆に伝えなければ・・」
その時だった。
鉄砲の音が轟き、兵達の歓声が聞こえたのは・・
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