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(我が人生・・ここまでか。)
家康は諦めた。
自分が生き残り、天下統一の夢を・・
ガキン!
(な!なんだと・・)
家康にふりおとされたはずの刀が家康の頭の上で止まっていた・・
「殿!大事ありませぬか?」
「忠勝!生きておったのか!」
家康への斬撃を止めたのは本多忠勝だった。
大久保勢に助けられた忠勝は、本陣の危機を知り本陣へ真っ先に馬を走らせ、家康の危機をすくったのである。
「ぬん!」
忠勝は抑えていた刀を振り放すと名槍~蜻蛉切~で侍大将を真っ二つにした。
「殿!大久保殿が小勢ながらも相手を撹乱いたします。その間に落ち延びなされ!」
「忠勝おまえはどうするのだ?」
「わしはここで今生の別れとなりましょう・・」
「忠勝・・おまえは死んでならん!そばにいて、わしが創る太平の世をみよ!」
「殿が創る太平の世、見とうございました。しかし、殿が生きてこそ忠勝の夢、殿の夢が叶うのであります。生きてください・・殿。あの世で殿の築き上げる太平の世を見ていたいとおもいます。
・・御免」
忠勝は家康を諌めると名乗りをあげ、敵中に飛び込んだ。
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