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昌景が前線に出ると一人槍を振り回し獅子奮迅の働きをしている忠勝がいた・・
「あれが本多忠勝・・凄まじい槍捌きだな・・」
昌景はつい独り言を言ってしまった。
昌景も今は一軍の将だが、昔は武田家に山県昌景あり!といわれた猛将の血が騒ぎ始めたのである。しかし今は雑兵までの命を預かる身である。
一騎打ちはできない
昌景は忠勝に降伏を促すために槍を持って忠勝に近づいた。
「忠勝殿・・降伏しなされ。」
「貴様!何者だ!」
「わしは山県昌景。どうだろう?降伏はせんか?」
「するわけなかろう!」
「だが、おぬし此処で死んでどうする?今死んだらただの犬死だ。」
昌景は忠勝を殺すには惜しい人物だと思っていた。武勇もあり、何より忠義が固い。まるで古の武将関羽を見ているかのようだった。昌景は説得し続けた。
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