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ー家康の陣ー
「な・・忠勝が降伏?」
家康は武田の使者に唾を飛ばしながら、聞いた。
「は!作用にございます。」
家康は驚いた。
忠勝だけは武田に降伏しないだろう。と確信していたのである・・それがいとも簡単に降伏した。
松平家の武将の心のよりどころがい無くなった。
(松平家は終わった・・)
中心的な武将を失った松平家が勝てるはずがない。
家康は敗北を予期した。
「して、松平家をどうするのだ?」
「松平家は忠勝殿の希望により家康殿の一存により決めて貰うとのこと。また、忠勝殿は松平家の再興を誰よりも望んでおられ、家康殿がまた松平家を背負うならば、私は家康殿のもとへ行くと申されております。」
家康はここで忠勝が降伏した真意がわかった。すべては松平家のため・・
家康はそう思うと目頭が熱くなった。
「松平家は、今滅びても何の意味ももたない。今を持って、武田に従属いたす!この棟を信玄公に伝えよ。」
こうして家康の陣から武田本陣への使者と山県昌景の陣営へ使者が走った。
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