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武田勢は三河と尾張の国境付近まで進軍した。
国境付近に近づくと放っていた忍の連絡をうけた伝令部隊が駆けてきた。
「伝令!伝令!この先、十里ほどの場所に織田勢と思われる軍勢が砦を築き、陣をはっております!その数一万。率いる大将は、羽柴筑前守秀吉かと思われます。」
「御苦労であった。下がって休め。」
「ははっ!」
伝令を下がらせた信玄は腹心の信房に目を移した。
「信房。秀吉をどう見る?」
「罠ではありますまい。ここはひた押しに秀吉を倒すのが上策かと。」
「ふむ・・昌幸はどうじゃ?」
信玄はまだ若い真田昌幸に意見を求めた。
「それでは。馬場殿の力押しは愚策とは思いませぬが、上策でもありませぬ。」
「それではどうするのだ!昌幸!」
自分の意見を否定された信房は声を張り上げて昌幸に聞いた。
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