自分

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先生が注意する間際、先生の靴が俺の爪先に当たった。 その瞬間、頭に血が上るのを感じたかと思うと、大声で怒鳴っていた。 たった其れだけかと思うかもしれない。 あるいは短気だと思うかもしれない。 だが、俺にとっては一大事。 “他人に触れられる” その行為を考えただけでも悍ましい。 そして今まさに、先生の靴は俺の爪先に当たったまま。 「触るなって言ってるだろ!」 イライラが、心から突き上げて来る何かが、抑えきれない。 先生ときたら、未だに困惑顔で言葉を詰まらせるばかり。 「俺の言っていることが分かんねぇのか?」 俺は更に、先生の胸倉を掴んでいた。
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