19人が本棚に入れています
本棚に追加
先生が注意する間際、先生の靴が俺の爪先に当たった。
その瞬間、頭に血が上るのを感じたかと思うと、大声で怒鳴っていた。
たった其れだけかと思うかもしれない。
あるいは短気だと思うかもしれない。
だが、俺にとっては一大事。
“他人に触れられる”
その行為を考えただけでも悍ましい。
そして今まさに、先生の靴は俺の爪先に当たったまま。
「触るなって言ってるだろ!」
イライラが、心から突き上げて来る何かが、抑えきれない。
先生ときたら、未だに困惑顔で言葉を詰まらせるばかり。
「俺の言っていることが分かんねぇのか?」
俺は更に、先生の胸倉を掴んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!