自分

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きゃあ!と、悲鳴を上げる女子の声。 罵声を浴びせる男子達。 一気に教室中がヒートアップした。 「き、君、放しなさい!!」 先生は声を裏返しながらも、教員としての責任だろうか? 「皆は席に着いてなさい!」 何とかしてこの場を抑え込もうとしている。 俺はそんな先生を思い切り突き飛ばした。 「っわあ!!」 先生が声を上げて、派手に尻餅をつく。 と同時に、更に教室中が騒がしくなった。 恐らく先生は、たった今から生徒に嘗められるはめになるだろう。 「せんせーい! 早く帰らしてよ~。」 「マジかったる~い。」 やっぱり。 先生は俺のせいだと言わんばかりに一瞬、俺を睨み付けた後によろめきながら立ち上がった。 まあ、俺のせいなんだけどな。
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