自分

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「こ、これで解散します。」 先生はどうにかこの騒がしくなった教室を沈めると、直ぐさま教室を出て行った。 どうせ校長にでも報告するんだろう。 まったく……。 俺は呆れながら、新しく配られた教科書を鞄に押し込んだ。 そうして席から立ち上がると、後ろからやけに威勢の良い声が聞こえた。 「入学式早々やらかしたなっ!!」 誰? 振り返るが、目線の先には誰もいない。 え?? 「此所だよ、此所!!」 声のした方へ視線を落とすと、これまたやけに小さな男子が立っていた。 俺はそいつを見た途端、何故か、からかいたくなる衝動に駆られた。
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