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桜の木の下
君と私の二人きり
こんなにも神様に願ったことはなかった。
「時間を止めてください」
「あれ?何してんの、こんなとこで」
ぼーっと桜の木の下に座っていたら、そんな声が聞こえて、顔をあげた。
「あ…」
「サボり?こんなとこにいたらすぐ見付かるよ。」
「俺もすぐ見付かったしー」なんて言って彼は笑った。
「サボりじゃ、ない、よ」
「違うの?」
「自習だもん。」
「でも今は授業中だから、サボりには変わりないっしょ」
俺もサボるーとか言って彼は私の隣に座った。
「何でこんなとこ、来たの?」
どきんどきんと心臓の音が煩くてしょうがない。
「んー」
しばらく考えてから、彼はにっこりと笑った。
「今野がいたから、来たの。」
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