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「あの…ごめんなさい!」
「ぁぬ?」
彼女の予想の遥か斜め上を飛び越えた返答に、悠は思わず意味不明な声をあげてしまう。
「もうわかってるとおもいますけど…わ、私、この世の者じゃありません」
―そりゃあんた、後ろ振り返ったらいるわ、いつの間にか俺の家にいたわで、それで生身言ったら驚天動地、世界がひっくり返りますわ。
「それで…ですね。私、あの病院にずっと居たんですが…心霊スポットだなんだって騒がれてるらしくて、人はたくさん興味本位で遊びに来て中は荒らすし…うるさいし…、だから私たち、そういう人達を追い払う事にしたんです」
―申し訳ない、その輩には俺も含まれているのです。
「だから、私…噂が酷くなれば来る人も減るのかなって…そう思って脅かしてたりしてたんです」
―なるほど…だからといって目の無い女は怖すぎじゃないか?って言いたいけど…もし違ったら余計に怖くなるから胸の内に置いておこう。
あれはマジで怖かった…死ぬかと思った…。
あれ?これ前も言った?
「昨日あなたが来て、私の病室で起きた地震…あれも、私がやったんです…。そ、そしたら皆逃げてくれるから…。でも、あなたは棚が倒れてきたとき、私の事を助けようと飛び込んできてくれましたよね?そんなことする人、初めてで…」
―うむ、流石俺。
どのような状況下でもかよわき女性を助けるのが男の性よ。
…生死を問わずな。
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