第二章

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戸惑う悠の様子に彼女は気づいて話しかける。 「あ、あの、ごめんなさい、一人ではしゃいじゃって…。やっぱり迷惑ですよね?いきなりこんな得体の知れない幽霊が一緒に住みましょうなんて、無理な話ですよね…」 「い、いや、そんなことない!むしろ居て欲しい!」 思わず完全に肯定してしまう。 「ほ、ホントですか!?わ、私の名前は逢沢朝日って言います!朝日って呼んでください!」 照れた様にえへへ、と笑う彼女を見た時、悠は何故自分自身が否定しないのかに気がついた。 彼女が夢に出てきた理由も。 ―ああ…俺…こいつに惚れてるんだな。 月明かりに照らされた姿を昨日見た瞬間からずっと。 だから無意識に夢にまで見るほど考えてたんだ。 相手…幽霊なのに。 どうかしてるんじゃないのか俺は。 でも仕方ない、一目惚れです。 「お、俺は東悠。だから、悠でいいよ」 「じゃあ、これからよろしくお願いしますね、悠さん!」 幽霊と一人の奇妙な共同生活が始まった。
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