第三章

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「ふ…ふぇぇぇぇぇん」 呆れた表情の悠を見て、朝日は遂に声をあげて泣き始めた。 慌てた悠が弁解を始める。 「い、いや!ほら!失敗なんて誰にでもあることだしな!かの有名なエジソンは失敗を喜んだっていうしさ!」 「そう…なんですか…?」 「そ、そうそう!だから大丈夫!卵をこんなことに出来るっていうことも才能の一つだと俺は思うよ!」 ―…しまった、一言多かった。 悠がそう思った時は既に遅かった。 彼の台詞は完全に逆効果であり、朝日なより一層ショックを受けたような顔をしてふさぎ込んでしまう。 「と…とりあえず飯は俺が作るから、朝日は居間で休んでて!」 「はい…」 暗い返事と共に、朝日は項垂れながら居間へ入っていった。 ―さてと、何から片付けようか…。 そう思った矢先、外から悲鳴が聞えてきた。 慌てて外を覗くと、家に面した通りで犬が仰向けで四肢をヒクつかせており、その犬の飼い主らしき人物も激しく咳き込んでいる。 様子を見にそこまで近づいた人も咳き込み始めるという、まさに負の連鎖が始まっていた。 どうやら、あの暗黒物質の気体を吸い込んだらしい。 「やっば…」 慌てて窓を閉める。 換気をしていたおかげで室内の空気は大体は綺麗になっていた。 ―どうしよう…。 あの気体を発生させたのが我が家だとバレたら回覧板に脅迫状が挟まれ、村八分にされ…。 この由々しき事態にどう対応するか、悠は考えに考えたあげく… 何事もなかった事にして片付けを始めた。
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