第三章

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「朝日さ…もしかして、おかわり…欲しい?」 その問いに朝日は目を輝かせたままコクコクと何度も頷いて応える。 ―こ…こやつ…甘く見ていた! かの華奢な容姿からは毛程も想像出来ぬ程の… 腹ペコ属性とな! 「食費…大丈夫かな…」 悠は不安げにボソリと呟くが朝日には聞えていなかったようで、彼女はまだこちらを見ていた。 「あそこにパンあるから、食べてもいいよ」 「わ、わかりました!」 にぱぁっ、と満面の笑顔で戸棚へと走っていく。 ―あ、こけた。 戻ってきた彼女は、恥ずかしさと満足感の入り交じったなんともいえない複雑な表情を浮かべていた。 「さてと…」 悠はお茶を煎れ、朝日にも渡しながら一息を入れる。 現在日曜日の朝九時。 時間も存分にあり、悠はまだ殆ど素性も知らない同居人の事を聞くことにした。 「今日日曜日だし、朝日の話聞きたいんだけどさ」 「わ、私の話ですか?えーと、そしたら…私も悠さんの事殆ど知らないし、今日はお互いの事を教えあっこしませんか?」 「あ、そうか。そういえば朝日も俺の事よく知らないんだよな」 はい!と彼女は頷く。
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