第三章

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「んと…さっきテレビに映ってたからです!姿を変えるにはちゃんとしたイメージが必要なので…」 ―お…おのれテレビめ。 俺は生涯この文明の利器への憎しみを忘れない。 「…頼むから…もう二度とビリーには変身しないで…」 「え?いいですけど…なんでですか?」 怪訝な顔で頷く朝日に、一目惚れした女性にむさい男になって欲しくなかった…などとは言えない。 「理由は聞くな、これだけは頼む」 「むー…わかりました」 少し不満そうに頷く彼女。 そして急に朝日の目がとろんとし始めた。 「ふぁ…霊力を使ってたら…眠くなって…きちゃいました…」 大きな欠伸をしながら目を擦る。 ―まだ、朝の九時ですけどね。 「さっき飯喰ってたのに…幽霊って、意外に燃費悪いのな…」 「異性になったりするのは大変なんです…身体も大きかったし…」 「おー、なるほど」 …なら! 何故! ビリーを選んだのだ馬鹿野郎おおおおおおおお!
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