第三章

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「ふにゃ…ごめんなさい、悠さん…ちょっと寝てもいいですか…?」 朝日の目は既に限界点を突破、ほぼ開いていない。 その目を両手でごしごしと擦りながら舌足らずな口調で聞いてくる。 ―やばい、可愛い…。 悠はその姿に思わず見惚れていた。 「悠さん…?」 「ん…あ、ああ、そしたらその廊下の突き当たりの客間を使ってくれ」 「わかりました…では…おやすみにゃさい…」 ―…ジーザス! おやすみにゃさいって! にゃって! 可愛すぎるんだよおおおおおおおおお! 本日朝から二度目になります、心の中のソウルフルなシャウト。 暫く悶えたあと、落ち着いた悠は朝食の片付けをすることにした。 「結局…彼女の事、何も聞けてないや」 悠は食器を洗いながら呟く。 幽霊になっているからには然るべき理由があるはずだし、その他にも山ほど聞きたい事はある。 何しろ、幽霊と同居するなどという異常事態は初めてなのだ。 そんなことを考えながらふと、醤油が切れている事に気づいた。 「んー…よし、今日の夜は朝日の歓迎会ってことで、食材の買い出しに行こう」 本来なら二度寝をしているようなこともあるのだが、暗黒物質の襲来、ビリーの出現と産まれてこの方体験したことのない衝撃的な朝を迎えたため、悠の頭は完全に覚醒していた。 「朝日が起きてきたときの為に伝言を残しておかなくちゃ…」 手近なメモ用紙に買い物に行く旨を書き、それを置きに客間へと向かう。
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