第五章

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「ミツキ…俺の家に住まないか」 「え?」 「これからもずっとミツキが一人にさせてるだなんて、兄貴としてそんな事許されない」 「でも…悠兄…」 突然の問いに、戸惑いを隠せないミツキ。  「ミツキ…覚えてないか?俺は、ずっと傍にいるって言ったぞ?」 「あ…」 しばらく顔を伏せた後、唐突に顔を上げて目をごしごしと擦り、満面の笑みを浮かべていった。    「うん!ずっと悠兄と一緒にいるー!」 そしてまた抱きついてきた。 「ずっと…ずっと一緒にいるぅ…うわぁぁぁぁぁん!」 ミツキは声を上げて泣く。  当然だ。  彼女が感じていた寂しさは想像を絶するのだろう。  泣いて震える少女の頭を撫でて、悠は言った。 「そうだ、これから買い物に行こう?」 「うん!行くー!」 いつの間にか泣き止んでいた少女は、期待に目を輝かせて答えた。
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