第五章

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「け…消したって、どうやって?」 ミツキの顔から笑みが消える。 「悠兄…見たい?」 「い、いえ滅相もございません!」「だよねー!」 また笑顔に戻る。 …ミツキよ、たった三年の間に成長したのだな。  お兄ちゃん、嬉しい反面怖いです。 いや間違えました、怖さ十割です。 「ねぇねぇ、行こ!悠兄!」 袖をぎゅっと引っ張るミツキ。 「わっ!ちょっと待てって!」 そう言いながら家路を急ぐ二人は、はたから見るととても仲の良い兄妹に見える。  いや、「見える」のかは疑問ではあるが。 悠はこの懐かしい状況に一人笑う。 「ねぇ、悠兄どうしたの?」 「んー、いやなんでもない」 「ふーん、変なの!」 えへへ、とミツキも笑う。 二人で目が合って、次は二人で笑う。 ミツキが嬉しそうにはしゃぐ。 悠も笑いながらミツキの相手をする。 幸せな空気が二人を包んでいた。 「や、やめ、そんなに早く走ったら、たたた、卵が!卵がぁぁぁぁぁぁぁぁあッッ!」 …数秒後、悠の絶叫が通りに響き渡る事になることになったのではあるが。
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