第六章

6/12
前へ
/99ページ
次へ
「わぁ、悠兄、料理上手いんだねー」 いや、しゃぶしゃぶだからね。 しゃぶしゃぶするだけだからね。  「ひゃう!?え!?え!?」 …朝日の料理スキルを甘く見ていた。  なぜ肉をしゃぶしゃぶするだけで暗黒物質が生成されるんだろう。 もはや錬金術のレベル、過程がわからない…。  「…あ"ッッ!肉!」 悠が二人にツッコミを入れてる間に、肉は全てが彼女達の胃袋に収納されていた。 「ま…まだ一枚しか…」 部屋の隅でうずくまる。 「悠兄、あーん!」 「もがッッ!」 ミツキが大量の野菜を口に詰め込む。  「も…もがが、むぃとぅくぃ!」 声にならない声。 「えへへー」 満面の笑みを浮かべながら白菜を詰め込む。  「死…じぬ…」 ミツキの笑みが悪魔に見えてきた。 「ん…ふぁ…」 悠が失神しそうになっていると、ミツキが急に眠そうに欠伸をした。 野菜を詰め込む箸の動きも心なしか緩やかになっている。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

148人が本棚に入れています
本棚に追加