第六章

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絶好の機会。 このチャンスを逃せばやられる。いや、殺られる! 「とりゃああああ!」 急いでミツキを引き離す。 だがしかし、彼女は特にリアクションも取らずに眠そうに目をこする。 ちょっと淋しかった…。 そう思いながら問い掛ける。 「どうしたミツキ?」 「んー…眠い…」 あー、今日一日だいぶはしゃいでたからな。  幽霊消し飛ばしたり、消し飛ばしたり、消し飛ばしたり…。 「よし、俺の部屋の隣が空いてるからそこを使ってくれ」 「わかったぁ…おやすみー…」 …ッッ!  い、今、消えた!スッって消えた! 「うふふ、ミツキちゃんも、幽霊ですもん」 「あ…そっか。そうだよな、あんまりはしゃいでたからそんな事忘れてた」 そして一瞬胸が痛む。  例えあんなに普通に接することが出来ていても、ミツキや朝日は幽霊である。  根本的に自分とは違うのだ。  そんな暗い思いをかき消し、白菜をいつまでも食べ続ける朝日の向かいに座る。  シャクシャクシャクシャク。  シャクシャクシャク。  シャクシャク。  …シャクシャクシャクシャク。 シャクシャクシャク。  シャクシャク。  シャクシャクシャ「…って、ええぃ、いい加減にせんかぁ!」 「ふぇっ?!」 「白菜しか見えておらんのか貴様は!シャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャク!作者はゲシュタルト崩壊が起きそうになったぞ!」 「え?作者?ゲシュタルト?むー…すいません…」 シャクシャクシャクシャク。  ああ、もういいや、白菜が底を尽きるのを待とう。
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