第六章

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「俺は…腹ペコ属性とやらに対して重大な間違いを犯していたのかもしれない…」 明日の朝、残ってもいいようにと買っておいた白菜二玉が消失していた。  「朝日…頼むからもう食べないで…」 という悠の涙の願いに朝日はやっと食べるのを止めたのだった。  「ふぅ、腹八分目に医者いらず、ですね!」 ニコッと笑う朝日。  「ば、馬鹿な…腹…八分目…だと…?」 ならば彼女の一分目は通常女性の十分目か。  「朝日ってさ、生きてる時もそんなに食ってたの?」 朝日はむっとしながら言う。 「そんなことありません!これの半分くらいです!」 朝日の腹四分目だと通常女性の四人分食ってるんですが。  それでも太らない朝日が羨ましすぎる。  きっと学校とかでは他の女子から恨めしがられながら見られてたんだろうな。  ん?学校? 「そういえば、朝日っていつ死んで、どういう人生だったの…?」 同居生活二日目。  悠は、まだ自分が朝日の事を全く知らないことに気が付いた。  そしてその事を聞いた瞬間、一瞬、朝日の顔が曇ったことには気付かなかったのだった。
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