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「私…白血病で死んだんです」
うぉ、軽い感じでスタートしようと思ったのにいきなり超ヘビーな…。
「ああ…だから病院にいたのか」
「はい、だけどあの病院、私が死んでから間もなくして廃病院になっちゃって…」
「なるほど。で、なんで霊になったの?成仏…出来なかったんだよな?」
「はい…それはちょっと言いたくないです…」
「そっか…」
気まずい沈黙が流れる。
「は、はは、暗くなっちゃったな、ごめん!」
肩を叩こうと手を伸ばす。
だがしかし、その手は空を切った。
「え…?」
ハッと朝日が悠を見る。
「あ…。あ、えっとですね…す、すいません、今日はもう寝ますね、おやすみなさい…」
「あ…わかった、うん、おやすみ」
スッと朝日が消えていった。
一人残った悠は、何も触ることが出来なかった手をじっと見つめていた。
―強く思ったものには触れることが出来るんです―
とかなんとか言ってたな…。
それはつまり、俺の事を受け入れてないってことなのかな…。
そりゃ、まだ出会って一日二日だから…でも…。
悠は誰もいない居間でただ一人、自らの手を見つめながら佇んでいた…。
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