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「や、やめ、そこはフランスパンじゃな…」
「下ネタかッッ!」
「う"ッッ!」
朝、ミツキのボディーへの一撃で悠は目が覚めた。
「ぐっ…ミツキ…無防備なボディーに…」
「もぉ、悠兄!何時だと思ってるの!そろそろ起きてよ!」
「んー…何時…?」
まだ覚醒しきっていない頭を抱えながら時計を見る。
「九時…まだ九時じゃん…そんなに遅くないし…寝る…」
「九時ッッ?!痛ッッ!!」
悠の顔を覗き込んでいたミツキは、跳ね起きた悠から一旦顔を反らし、華麗なタイミングで悠にヘッドバッドを合わせてきたのだった。
「ぬ…ぐぉ…」
俺は今…ミツキの後ろにヒョー○ルの影を見た気がする…。
「っていうか学校!」
今日は月曜日だった。
その事をすっかり失念していた悠は、目覚ましをかけわすれていたのである。
「遅刻だッッ!ミツキ、留守番頼む!」
制服に急いで袖を通しながらミツキに言う。
「え、お兄ちゃんどっか行っちゃうの?」
「学校!」
「むー…せっかく遊べると思ったのに…」
「仕方ないだろ、帰ってきたら遊んでやるから!」
歯を磨き、靴を履く。
「あ…」
朝日になんか言ってこなきゃ。
朝日の部屋の前に立ち、ノックをしようて腕を上げて…止まった。
悠の頭には昨日の事が浮かんでいた。
「なんか…気まずいな…」
そうつぶやいて、悠は何度か迷った挙げ句、結局扉を開けずに家を出たのだった。
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