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帰ってきた この町に あの頃ボクがいた この町に あの頃作れた紙飛行機 いつの間にか作れなくなって あの空に飛んだ白い飛行機は 何処までも飛んでいったのに まるで夢のようで 今の僕は空の飛び方を 忘れてしまった あの頃と全く変わらないこの町 変わってしまったモノ それは… 意地をはって出て行った そのプライドを守ろうと必死だった 残ったモノはこれだけで 錆び付いてしまった僕だけで 夢を見て出て行ったハズなのに 今じゃその内容も 夢の見方さえも 忘れてしまった… 僕が無くしてきたモノ あの頃のボクが持っていたモノ 認めてしまう事が怖くて 自分で自分を見失いかけた ふと見上げた秋の空が なんだかとても寂しげで いつの間にか泣いていた あぁ… 此処は変わっていない 変わってしまったのは… いつの間にか何も見えなくなった 僕だ… カッコ悪いのは 僕だ… この空をまた飛べるかなぁ 夢を見られるかなぁ 視界の隅で ふと飛んでいった綿毛 秋の空に消えていった
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