270人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴様……昨日、華琳様を“自転車”なるものに乗せてただろう」
春蘭は、何故かはわからないが、少し怒っているようだった。
「……ごめん。何かまずかったのかな?」
「そういうわけではない。ただ……」
そう言うと、春蘭は何やらモジモジとして、歯切れが悪くなる。
俺は首を傾げた。
「……私も乗りたかった」
「……は?」
「私も乗ってみたかったのだ!」
春蘭は顔を真っ赤にしながら叫んだ。
俺は目を丸くして春蘭を見る。
「何だ、何故そんな目を丸くしているのだ!?」
春蘭は、照れ隠しのつもりなのか、剣をこちらに向けて俺を睨んでくる。
俺は苦笑いをする。
「いや、意外だったから」
「何が!?」
「春蘭が、自転車に興味を持つなんて」
春蘭は絶対に自転車のような物より、馬とかの方が似合っている。
というより、馬とかの方が好きだろう。
「そ、それは……私が興味を持ってはいけないのか?」
「いや、そういうわけじゃないけど。ただ、意外だなぁ~、て思っただけだよ」
俺がそう言うと、春蘭は何か呟きながら剣を引いてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!