【自転車】

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「結局、九人とも約束をしたわけね」 華琳は玉座の間でため息をつきながら俺を憐れみの目で見つめる。 あの後、話を聞きつけた秋蘭、季衣、流琉、風、真桜に沙和、凪とも春蘭と同様の約束をした。 「断るわけにもいかないよ」 「……まぁ、無理はしないことね」 「うん」 とは言いつつも、俺は内心不安だった。 華琳を乗せただけで足がパンパンとなってしまったのだ。 あと九人となると……。 恐ろしくて考えたくもない。 「でも一つ気になることがあるんだよね」 「何かしら?」 「何でそんなに自転車の人気があるんだろう?」 みんなが自転車に乗りたがるとは正直思っていなかった。 確かにこの国には無いものとはいえ、そこまで人気が出るものなのだろうか? 俺の疑問を聞き、華琳は一瞬キョトンとした顔をするが、すぐにその顔は笑顔へと変わった。 「ふふ……流石は一刀ね」 「いや、よくわかんないんだけど」 「自分で考えなさい」 「えぇ~」 華琳は楽しそうに笑みを浮かべる。 俺は相も変わらず意味がわからなかったので、首を傾げたままであった。
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