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「へぇ。そのように便利な物があるのね」
俺が説明を終えると、華琳は感心したように呟いた。
秋蘭も感心しているようで、仕切りに頷いていた。
春蘭は訳がわからないようで、仕切りに首を捻っていた。
「そうですな。馬よりも早い速度で、何千里もかけ続けることが出来るとは」
「是非一度乗ってみたいわね」
華琳は珍しく目を輝かせている。
俺は、華琳のそんな目を見るのは初めてだった。
「でも、車はちょっと厳しいかな。あれには燃料が必要だからね」
「燃料?」
「うん。石油を蒸留したりして得る『ガソリン』って物が必要なんだよ」
「石油は……ここらでは採掘できぬな」
秋蘭は少し残念そうに俯く。
華琳の目にも、少しだが悲しそうな色が写っていた。
俺はそんな華琳の悲しそうな様子を見て、何とかしてやりたくなった。
「車は無理だけど……自転車なら作れるかも」
「自転車?」
「うん。真桜に頼んでみる。楽しみにしててよ」
そうと決まると、早速真桜に頼んでみるか。
善は急げって言うしな。
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