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その後、俺は華琳を乗せたまま自転車で数時間も走り回った。
途中で何度も帰ろうとしたが、その度に華琳にねだられてだんだんと長くなってしまったのだった。
クタクタになった俺は、倒れこむようにしてベッドへと横になった。
「うあー、疲れたぁ」
俺はベッドの上でゴロリと一回転し、天井を眺める。
「それにしても、華琳がまさかあそこまで気に入るとはなぁ」
あれほどまでの華琳の気に入り方は、今までに見たことがないほどだった。
何がそこまで気に入ったのだろうか?
「……まあいいや」
考えても分からないので、俺は考えないことにした。
◇ ◇ ◇
「おい、北郷」
次の日の朝、廊下を歩いていると後ろから自分の名前を呼ぶ声がし、俺は後ろを振り返る。
そこにいたのは春蘭だった。
「やあ。どうしたの?」
「どうしたの? ……じゃない!」
春蘭が急に大声を出したので、俺は驚いて体をビクリと震わせる。
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