逃避行

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---夜。 満月が優しく辺りを照らしている。 屋敷も、街も、全て寝静まっている。 そんな中、一人部屋の内を落ち着きなくウロウロしているエリーゼ。 (あの人の…ポロネーズの伝言って、何なのでしょう…) 必ず生きて帰って来ると云う約束を破った事に対する謝罪か?それとも、もっと他に伝えなければならない重要な事…? 例えば、隠し子が居たとか…!? いやいや、流石にそれは無いはず… などと、そんな事ばかりを考えては、部屋の中をウロウロ。 ポロネーズの肖像画を見つめては、ため息。そしてまたウロウロと…の繰り返し。 期待と不安で胸が張り裂けそうになりながら「彼」が来るのを待つ。
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