天使の降る街

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テラスに出たエリーゼは、何処までも澄み切っている空の眩しさに思わず目を細めた。 「綺麗な青空…」 思わずそう呟いた自分に、ハッとし、自嘲気味に笑う。 「…ふふっ…私ってば、何を言っているのかしら… 貴方が居なくなってからこの世界は、青色しかないのに…」 本当に、嫌になる。 この世界が。 こんな自分が。 貴方の居ない世界で生きていけない私が。 「だから、さようなら。」 テラスを乗り越え、青い世界にダイブした。 さようなら、世界。 さようなら、自分。 ポロネーズ、貴方に今、逢いに行きます。
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