似てる二人は結局のところ赤の他人(後編)

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<土方side> 結局、依頼の電話もかかってこなかったので、俺とガキどもは買い物に行くことになった。まったく、どんだけ暇なんだか… スーパーに着くと、メガネは他の主婦達に混ざって買い物を始めた。いや、ホント違和感ないし… 俺は、チャイナ娘が余計なことをしないように、メガネに見張るよう言われたんだが… 「…って、早速、何やってんだよ!!」 「ん?何って、よっちゃんイカ作ってるアル。」 「…いや、よっちゃんイカって、駄菓子だよな?その手にあるのは、明らかに、どっかそこらへんのガキ大将じゃねえか!!」 そう、チャイナ娘は、ガキ大将の頭と足を引っ張って、引き伸ばしていた。 その足元には「よっちゃ~ん!!」と叫びながら泣いている子供がいた。 …てか、ホントによっちゃん、て言うのか、そいつ? 「おい、止めろ!それ以上やると、よっちゃんがちぎれて、この辺一帯スプラッタだぞ!!B級ホラーにする気か!?」 そう言うと、チャイナ娘は動きを止めた。最早、よっちゃんは泡を吹いて気絶している。 ようやくよっちゃんから手を離した。もう1人のガキが、慌ててよっちゃんを引き摺って逃げていった。 「う~ん、血みどろは嫌ネ。それにあんまり美味しそうじゃないアル。」 「食うつもりだったのかよ!!」 「だって、お腹が空いて仕方ないヨ~」 さっきまで、酢昆布食ってたじゃねえか! 「ったく、何か買ってやるから、我慢しろ…」 「マジでか!?本気と書いてマジと読むアルか!!」 「ああ、本気と書いてマジだよ。目の前で犯罪起こされたらかなわねえからな。」 「じゃあ、酢昆布!」 「まだ食うのか…分かった分かった。」 結局、酢昆布を20個ばっかし、レジに持っていくはめになった。 .
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