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ん、やっと戻ってきたか。
「すみません。お待たせしました…ってあれ、神楽ちゃん、酢昆布食べきってなかったっけ?」
「マヨラーが買ってくれた~」
いや、目を点にするほどビックリすることかよ?まあ、確かに珍しいかもしれないがな…
「そうだったんですか。すみません、むしろ迷惑かけたみたいで。神楽ちゃんもお礼は言ったの?」
「ほうも、はりはほう。」
いや、口一杯に酢昆布入ってて、何言ってんのか分かんねえよ…
「どうも、ありがとう、って言ってます。」
不可思議な俺の顔を見て、気付いたらしい。このメガネ、うちの山崎よりやるな。
「ああ」
「じゃ、そろそろ帰りましょうか?…あ、その前に姉上のところに寄ってもいいですか?お米を分けてもらわないと…」
「ん、ああ。確か恒道館だったな」
「はい。ほら神楽ちゃん、行くよ。」
「お前に言われなくても分かってるヨ、このダメガネが。」
やっと酢昆布飲み込んだと思ったら、この罵詈雑言。やっぱ、似てくるんだな…メガネがなんか可哀想になってきた。
「言われなくても分かってるなら、キビキビ動く!!それに僕は地味ではあるけど、ダメガネじゃないからね!!」
「ジミーなの、認めやがったアル。しかも開き直った…」
「もう、行きましょう!!」
何かギャアギャア言いながら、俺たちはスーパーを出た。そこで声をかけられた。
「あら、新ちゃん?それに銀さんに神楽ちゃんも、どうしたの、そんなところから出てきて?」
そう、先ほど話に出てきた志村の姉、お妙だった。てか、そんなところってただのスーパーだろうが?
「姉上。いえ、今夕飯の買い物をしてたところだったんです。」
「へえ~、よくそんなお金があったわね?この甲斐性なしに。」
うわ~、万事屋…やっぱまともに働いた方が良いぞ。甲斐性なしとか言われてる…ん、志村姉が何かこっちに迫ってくるんだが…
「まさか、あなた。うちの新ちゃんにせびったんじゃないでしょうね?」
「いえ、違いますよ、姉上。実はこれには事情がありまして…かくかくしかじか」
メガネは志村姉に説明する。それにしても「かくかくしかじか」って便利だな。
「そういうことだったの…どうりで今日の銀さん、瞳孔が開いてると思った。副長さんだったのね。」
「ええ、それでお米を分けてもらおうと家に行く途中だったんです。」
「そう、良いわよ。うちにいらっしゃい。」
その時だった――
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