60人が本棚に入れています
本棚に追加
事の始まりは万事屋での出来事だった。
「ねえ、銀さん」
新八は台所から銀時たちのいる居間に来ると、切り出した。
「あ~?なんだよ、今良いところなんだよ」
銀時はソファーの上に横になって、ジャンプを見ており、神楽は酢昆布を噛みながら、テレビをじっと見つめている。
「ご飯が…」
「あぁ?飯ならさっき食っただろうが。さっそくボケたか?」
新八は俯いていた。さすがの銀時も、変に思って新八を見つめた。
「ご飯が、というかお米がなくなりました。」
「なにィ~!?」
銀時は叫んだ。そう、米が無くなるということは、万事屋にある食料が尽きたことを指しているからだ。
「米が無いって、この間買ったばっかりじゃねぇか!?」
「この間って、もう二週間も前じゃないですか!!大体、うちには神楽ちゃんがいるんですから、今日まで持ったのが不思議なくらいですよ!」
「マジかよ~」
銀時はその見事な天然パーマの銀髪をガシガシ掻きつつ、神楽の方を向く。
「神楽ァ!おめぇ、1日一升って食い過ぎだろうが!!もうちょっと節制しやがれ!」
銀時の言葉に神楽はテレビから視線をこちらに向けてくる。
「育ち盛りなんだから仕方ないアル。それに今に始まったことじゃないネ。」
「育ち盛りにも程があるわ!!俺だって、宇治銀時丼1日に10杯も食ったら、さすがに吐くわ!…いや、そんなこともないか。」
「ないのかよ!?とにかく、銀さんも神楽ちゃんも仕事探しに行きましょうよ?」
「なぁに、主人公であるこの銀さんを差し置いて仕切ってんの?」
「そうアル。ツッコミしか能がないのに仕切ってるネ、このダメガネが。」
「うるさい!!あんたらが毎日ダラダラしてるからだろうが!それにツッコミは高等技術だし、ダメガネっていうな~!!」
こうして万事屋ファミリーは仕事探しにかぶき町へと繰り出した。
.
最初のコメントを投稿しよう!