似てる二人は結局のところ赤の他人(前編)

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一方、ここは真選組頓所である。 今日も真選組副長、土方十四郎は朝いちでため息をついた。原因は、目の前で寝坊をかましている男、沖田総悟である。こんなのでも真選組一番隊隊長なのだから、わからないものだ。 「おい、総悟。いい加減起きろ。」 「う~ん…土方コノヤロー、むにゃむにゃ」 なかなか起きない。それどころか、先程から土方に対して沖田は暴言を吐き続けている。 「…てめぇ、いい加減にしろよ。今日は朝から会議だって言ってあっただろうが!?」 土方は沖田の布団をひっぺがし、胸ぐらを掴み揺さぶった。ようやく沖田は目を開けた。そして目を擦る。 「ん~、なんだよ母ちゃん、今日は土曜日で休みだって言ったろう?まったく~おっちょこちょいなんだからァ。」 「誰が母ちゃんだ!?それに今日は水曜日だ!!」 「あれ、なんだァ。よく見たら土方さんじゃねぇですかァ?こんな朝早くどうしたんでさァ?」 「まったくお前は…もういい、とにかくもうすぐ会議の時間だ。とっとと支度しろ!」 「ヘ~い」 土方は沖田の部屋を出るとタバコに火をつけた。 .
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