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数日後、同時にアップしたわたしと遼子は、駅前にあるカフェに入った。
「聞いたよ、紗奈さんに。
よくやった!」
遼子が握手しようと右手を差し出す。
「恥ずかしいよ」と言いながらも、遼子の手を握った。
「やっぱり紗奈さんに見られてたか……」
「いいじゃん、別に。
あや乃は正しいことしたんだから」
「いや──正しくはないと思うんですけど」
「まあまあ。今日はあたしがコーヒー奢るからさ。
まさか殴っちゃうなんてねー。見直したよ!」
遼子は背もたれにふんぞり返って、カップを口に運んだ。
「あのさ、殴ってないよ。ビンタ──」
「どっちでもいいって!
あのバカ英太!
でもきっと、トワと一緒で懲りないんだろうな。
ホントごめんね。
あたしがあんなヤツ紹介したせいで、あや乃に辛い思いさせちゃった」
「ううん。いい勉強になったよ。
ホントにいろんな人間がいるんだってね。
英太をひっぱたいた時、めっちゃいい音がしたんだ。
気持ちよかった。
自分もこんなことできちゃうんだ!って感動してた」
「そっかぁ。そう言ってもらえて安心したよ!
じゃあ、頑張ったあや乃にご褒美をあげまーす!」
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