ふぁいやー・ふぁいたー・がーる

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「お邪魔しますっ!」 意を決して飛び込んだのは、男ばかりの社員トイレだった。 初めは恥ずかしさに赤面していたが…、人の慣れとは恐ろしい。 年頃の女が、決して踏み入れてはならない男のテリトリーも、何度となく足を運べば、嫌でも慣れる。 第一ここは、名目上男女共同トイレとなっているのだ。 何を、躊躇う必要があろう。 例えこのトイレを使用する女が、私以外にいないにしても、例え不可侵領域に介入する私の存在に、目を丸くする男達がいたとしても、共同トイレである以上、それは仕方の無い事。 だから気まずさと気恥ずかしさは、お互い様という事にして貰いたい。 因みに責任転嫁するなら、お国の為に働く公務員の職場にも関わらず、改造費をケチって女性用トイレを作らなかった、市とか町とか、そんな感じのお偉いさんに言ってくれ。
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