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いつも教師が来る時間にドアが開いた。しかし入って来たのは教師ではなく見知らぬ男性数人だった。
「はい!座って!」
見知らぬ男が声をあらげて教壇に立つ。ハゲかけた小太りというよりがっちりしたどこにでもいるような中年男性だ。
その男の左右に一人づつ、後ろにも三人、武装したサングラスをかけた男がライフルを片手に姿勢正しく立っている。まるで兵隊の様だ。
教室の温度が急激に下がる。言われるがまま自分の席に座る生徒。
混乱した空間の中、
澤田「なんだよ!おっさん!」
澤田はでかい態度で質問する。
「申し遅れました!ゲーム進行役の土井です。」
突如、教室に現れた土井の言葉を誰一人理解できる生徒はいなかった。澤田は空気を読まず、思いの丈を口に出す。
澤田「ゲームってなんだよ!頭おかしいんじゃねぇの!」
土井は澤田の攻撃的な発言に顔色を変えること無く話を進める。
土井「君たちには非常に簡単なゲームをしてもらいます。誰を指名するだけでいいんです。その後は死んでもらいますが。」
背筋が凍るような寒々とした空気が教室を包む。死という言葉に生徒たちは恐怖を覚える。
土井「例えばA君がB君を指名したら、A君は殺します。そして、B君がC君を指名、B君が死ぬ。そして、最後まで生きた1人が勝者。簡単でしょう。なお、私に抵抗したり、変な行動をすれば、無条件で死んでもらいます。ちなみに君たちの顔と名前は予習して覚えています。」
土井はルールを説明をした。こんな話を聞いて黙ってられるわけがない。生徒たちは一斉に声をあらげる。「なんだよそれ!」
「ふざけんな!」
「意味わかんねぇよ!」
ざわつく生徒たち。土井は手を大きく挙げ、そのまま教壇に叩きつけた。
ダンッ!
生徒はまた静まり返り土井に注目する。土井は鋭い目付きで生徒を見渡し、
土井「それではゲームを始めます。
最初の人にはかわいそうだが出席番号1番『相澤 貴教』。」
突如始まったゲーム。まだ混乱している生徒たち。残虐で理不尽なゲームで生徒たちは何もできず、駒となっていた。
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