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もう壊れている家具だが、勇司はそれ以上壊してしまわぬように、慎重に家具に触れる。
その様子を離れた所から、壁に寄り掛かりながら大和は眺める。
(……さて、どうなるか?)
勇司が最初に手を伸ばした家具は……二段目の引き出しが無く、取っ手が取れて無い、箪笥だった。
それを正面から抱えて勇司は軽々と持ち上げた。
……かのように見えたが、力の加減を間違ったようで、ミシッと嫌な音が箪笥から聞こえてきた。
「ぅわっ!?」
軋む音がした途端に勇司は箪笥を離してしまい、箪笥が落下する。
箪笥が落下した先には勇司の足があり、注意しようと大和が口を開いたが、間に合うはずもなく、箪笥は勇司の足に直撃した。
「だあぁぁぁぁっ!!」
痛みに悶える勇司は落ちてきた箪笥を思いっきり蹴り上げた。
勇司の蹴りにより、箪笥は真っ二つとなってしまった。
しかも、蹴り上げてしまった事で真っ二つになった箪笥が周りの家具に当たり、脆くなっていた家具はへこんだり、ひび割れてしまった。
(……これは、重症かもしれん)
勇司の様子を一部始終、傍観していた大和は片手で頭を押さえる。
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