怪力と眼鏡

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「えと、自分ではよくわかりませんけど?」 勇司は立ち上がり、頬を掻きながら言う。 自分で制御した訳ではないらしい。 (……という事は、無意識で力を抑えているのか?) 大和は腕を組み、勇司を凝視しながら考え込む。 無言で無表情でじっと見られ、勇司は居心地悪くなり、身じろぐ。 (な、なんだろ?……やっぱ俺、どうしようもないとか!?) 黙ったままの大和に、勇司は不安になり、後ろ向きな考えばかりが浮かぶ。 (……ぁあ、俺ってダメダメなんだ。……生きる価値すらないんだぁ) 勇司はどん底までに落ち込んでいた。 立ち上がっていたというのに、座り込んでしまう。 そんな勇司に、考え込んでいた大和が声をかける。 「勇司」 「は、はいぃ!ご、ごめんなさいぃ!生きててすいません!!」 「……なんで謝るんだ?」 名前を呼ばれ、反射的に勇司は謝り、土下座までした。 ……後ろ向きな考えをしていたからだろう。 大和は、いきなり謝られて困惑と呆れが混じった顔で勇司を見下ろしていた。 名前を呼んだだけで、そんな反応をされるとは誰も思わないだろう。
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