怪力と眼鏡

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大和のそんな表情を見て、勇司は正気に戻ったようで、笑ってごまかして再び立ち上がる。 「……なんなんだ?」 「あははは、忘れて下さい。……それで、どうしたんですか?」 先程の自分を忘れさせる為にか、大和に話を促した。 大和はそれほど気にしていなかったようで、話の続きを言う事にしたようだ。 「お前は馬鹿がつく程の怪力だ」 「……いきなりヒドイですね」 「しかも、不注意で失敗ばかりだ。怪力との相乗効果で被害は拡大される」 「人の事を天災かのように言うのは止めて下さい。てか、無視ですか?」 勇司はあまりにも自分に対する言い方が酷かったので、突っ込むかのように話の間に言う。 大和はそんな勇司の言葉を無視したまま喋り続ける。 「だけど、お前は優しい奴だ」 「……へ?」 いきなり褒められたからか、勇司は目を見開いて大和を見た。 「多分だが、人……いや、生きているものに対しては無意識に力を抑えているのだろう」 「……そう、ですか?」 いまいち実感がないせいか、勇司は大和の言う事が信じられないでいた。
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