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Tea Time
勇司と大和が屋敷から離れてから少し経った後の事。
「……あれ?あいつら、どこ行ったのよ?」
朔夜はあちこちを行き来しながら、勇司と大和の姿を探していた。
その手には紅茶の葉がある。
海外にいる朔夜の母親から届いたアールグレイの茶葉のようで、全員で飲むつもりだったようだ。
朔夜が探していた部屋から出ると、理奈と会った。
「お嬢様、勇司さんと大和さんの姿が見当たりません」
理奈も朔夜と一緒に二人を探していたようだが、見つからなかった様子であった。
「……そっちにもいないのね」
茶葉を持つ手に力が入り、目が吊り上がる。
「み、見つからないのだから、もう二人だけでお茶にしましょう!」
その様子を見た理奈は、慌ててそう提案した。
それを聞いた朔夜は、吊り上がっていた目を元に戻して頷いた。
「ま、それしかないわね。これ、頼むわよ」
「かしこまりました、お嬢様。先に、テラスへと行っていておいて下さいまし」
持っていた茶葉を理奈へと手渡し、朔夜はテラスへと向かった。
それを見届けた後、理奈は紅茶を入れる為にキッチンへと向かう。
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